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1995 年度 実績報告書

位置検出型4π検出器システムの開発とMeV領域の偏極中性子反応断面積の測定

研究課題

研究課題/領域番号 06680470
研究機関九州大学

研究代表者

的場 優  九州大学, 工学部, 教授 (60037827)

研究分担者 納富 昭弘  九州大学, 工学部, 助手 (80243905)
キーワード中性子反応断面積 / 飛跡の角度検出 / 二次元位置検出器 / バックギャモン読み出し / ドリフトカウンター / ガス入り検出器
研究概要

本研究では、中性子反応断面積の精密測定を行う目的で、大きな立体角を有し、粒子弁別、エネルギー測定並びに飛跡の角度検出が可能なカウンターテレスコープを開発してきた。昨年度は、このカウンターテレスコープを組み上げてテスト実験を行ったが、個々の検出器の性能に関する検討は不十分であった。そこで、本年度はこのシステムの主検出器である二次元位置検出器の特性を詳しく調べて、原理的な側面からその特性の向上を目指した。
この主検出器はガス入り検出器であり、バックギャモン型陰極を用いた電荷分割読み出し法と電子のドリフト時間測定に基づいた読み出し法を組み合わせて二次元の位置決定を実現している。このうち、バックギャモン型読み出しは、陽極芯線近傍に発生した電子なだれによって楔形状の陰極上に誘起される電荷を読み出し、各電極上の誘起電荷量の比から位置を決定する方法である。この方法は、比較的小型の検出器の場合に特に適している。一方、ドリフト時間測定法では、粒子の通過した位置に生成された電子が陽極芯線に到達する時間を測定して粒子通過位置を決定する。この方法は、ドリフト領域内全体にわたって一様な電場が形成されていることが不可欠である。これを実現するために補助電極を設けて各電極に適当な電位を配した。あらかじめ計算機を用いて領域内の電位分布を計算し、最適な電位配置を見出した。
β線を用いて測定を行ったところ、位置読み出しの精度はどちらの読み出し方式についても半値幅で約2mmであった。積分線型性は、どちらの方式についても約100mmにわたって保たれており、開発した計数管は約100mm×100mmの大きな有効領域を持つことが分かった。
β線は多重散乱の影響が避けられず、検出器固有の位置分解能を評価するのには適していない。そこで、X線を用いて位置検出テストを行った結果、バックギャモン電極読み出しによる位置検出の固有の分解能は、半値幅で0.75mm程度と見積られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S. Budihardjo: "Two-Dimensional Position Sensitive Gas Counter with Backgammon Read-Out" Ionizing Radiation(応用物理学会放射線分科会). Vol. 21. 25-31 (1995)

  • [文献書誌] S. Budihardjo: "A Versatile Two-Dimensional Backgammon-Drift Chamber for Transmission Trajectory Counter" RADIATION DETECTORS AND THEIR USES (Proceedings of the 9th Workshop on Radiation Detectors and Their Uses). 176-182 (1995)

  • [文献書誌] S. Budihardjo: "A Two-Dimensional Transmission Counter with a Backgammon-Drift Read-Out Technique" IEEE Trans. Nucl. Sci.(to be published). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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