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1995 年度 実績報告書

コンピュータシミュレーションによる炉壁材料からの2次電子放出の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06680481
研究機関徳島大学

研究代表者

大宅 薫  徳島大学, 工学部, 教授 (10108855)

キーワード2次電子放出 / プラズマ表面相互作用 / 核融合 / 計算機シミュレーション
研究概要

昨年度は,2次電子放出のシミュレーションコードの開発を行った。本年度は,これを用いて,電子,水素イオン,炉心プラズマに存在する不純物重イオンなどの衝撃によって起こる種々の対向壁候補材料の2次電子放出に関する必要なデータ(2次電子放出係数,放出電子のエネルギー分布・放出角分布,放出電子個数の統計分布)を生産し,その物理過程を解明することに重点をおいた。現在までに,グラファイト,ベリリウム,マグネシウム,アルミニウム,銅,モリブデン,タングステンおよび金の2次電子放出係数を計算するとともに,高Z2(原子番号)材料ほど2次電子が高いエネルギーを持つこと,放出角分布はどの場合も余弦分布を示すことなどを明らかにした。また,実機における炉壁を想定し,表面凹凸の効果について昨年度の研究をさらに進め,本年度は,不純物付着による表面の汚染についても,表面仕事関数を変化しその効果を調べた。
対向壁表面から放出され,プラズマ中で様々に電離した不純物重イオン衝撃による2次電子放出は,イオンの価数に大きく依存する。また,この場合,本研究で主として検討したカイネティック放出機構のほか,ポテンシャル放出機構による電子放出も起こるので,このためのシミュレーションコードも開発し,2次電子放出への衝撃イオンのZ_1(原子番号)および価数の効果について検討した。
プラズマの熱的・粒子的負荷を集中して受けるダイバータ板のような対向壁は,磁力線に沿って運動するプラズマ粒子をできるだけ広い面積で受けるように,磁力線に対して斜めに配置する。従って,固体表面から放出された2次電子は,シース電界による加速に反して,磁場から受けるローレンツ力によって固体表面へ引き戻される現象が起こることが予想される。このような現象を詳細に解析するために,2次電子放出だけでなく,シース内の放出電子の輸送過程をも考慮した複合的シミュレーションコードを開発し,この効果についても詳細に調べた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] J. Kawata and K. Ohya: "Contribution of Kinetic Emission to Multicharged Ion-Induce Electron Emission from a Metal Surface" Nuclear Instruments & Methods in Physics Research B. Vol. 98. 450-453 (1995)

  • [文献書誌] J. Kawata, K. Ohya and K. Nishimura: "Simulation of Secondary Electron Emission from Rough Surfaces" Journal of Nuclear Materials. Vol. 220-222. 997-1000 (1995)

  • [文献書誌] J. Kawata and K. Ohya: "Simulation of Kinetic Electron Emission from Beryllium by keV Ion Impacts" Japanese Journal of Applied Physics. Vol. 34. 4963-4969 (1995)

  • [文献書誌] K. Ohya and J. Kawata: "Simulation of Electron Emission from Beryllium under Electron and Ion Bombardment" Scanning Microscopy. Vol. 9. 331-353 (1995)

  • [文献書誌] K. Ohya, K. Hiroi and J. Kawata: "Simulation of Secondary Electron Emission from Solid Surface Irradiated by Plasmas" Japanese Journal of Applied Physics. Vol. 34. L1567-L1570 (1995)

  • [文献書誌] K. Nishimura, K. Ohya and J. Kawata: "Contribution of Kinetic and Potential Emission to keV Singly Charged Ion-Induced Electron Emission from a Metal Surface" Japanese Journal of Applied Physics. (in press). (1996)

  • [文献書誌] K. Ohya and J. Kawata: "Comparative Study of Kinetic Electron Emission from Solids under Ion and Electron Impacts" Nuclear Instruments & Methods in Physics Research B. (in press). (1996)

  • [文献書誌] J. Kawata and K. Ohya: "Monte Carlo Simulation of Ion-Induced Kinetic Electron Emission from a Metal Surface" Applied Surface Science. (in press). (1996)

  • [文献書誌] K. Nishimura, K. Ohya and J. Kawata: "Secondary Electron Emission from Beryllium Irradiated by Plasma in a Magnetic Field" Vacuum. (in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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