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1994 年度 実績報告書

北極海の海氷分布の変動とグローバルな天候の異変

研究課題

研究課題/領域番号 06680486
研究機関弘前大学

研究代表者

力石 國男  弘前大学, 理学部, 助教授 (70038561)

研究分担者 道上 宗巳  弘前大学, 理学部, 助手 (70003332)
キーワードヤマセ / 冷夏 / 異常気象 / 北極海の海氷分布 / 偏西風の分流
研究概要

海氷は太陽放射を反射し,融解するとき周囲から融解熱を奪う.このため,夏期の北極海は巨大な冷熱源となる.この冷熱源は北半球の夏の気候に大きな影響を与えていると予想されるので,本研究では北極海の海氷分布と大気循環の関連を詳細に調べた.
夏期北極の寒気団は南下し,南の気団と熱交換を行なうが,南下の仕方は経度方向に一様ではない.高層気象データの解析によれば,北極気団は地形の影響を受けて主にベーリング海峡,カナダ北西地方,そして西シベリア平野の3ヶ所を通って南下している.このうち西シベリア平野付近の寒気の南下が通常より強い時は,上空5500mの大気大循環がこれらの場所でトラフとなる3波数循環を形成し,それに伴い極東域では偏西風が南北に分流して,海面高度ではオホーツク海周辺に高気圧が出現する.この様な状況下で,ベーリング海から流れ出た寒気は,北東気流ヤマセとなって北日本に押し寄せ,しばしば冷害をもたらす.
マイクロ波放射計による人工衛星からの海氷密接度の観測データを解析すると,夏期の北極海の海氷分布は,バレンツ海・カラ海周辺で最も大きな変動を示す.バレンツ海周辺の海氷密接度(海氷面積)別に500hPa面高度の合成図を作成すると,海氷が広く分布している時には,大気は3波数循環となり,極東域で偏西風が南北に分流するヤマセ型の循環となる.この時850hPa面の気温分布から,北極の寒気の中心は極付近ではなくバレンツ海・カラ海周辺にあることがわかる.言い替えれば,バレンツ海・カラ海周辺に寒気の中心があり海氷が広く分布している夏は,大気循環は3波数型となり,極東域で偏西風の分流が生じてヤマセが吹き易い状況となることが明かとなった.

研究成果

(2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 力石國男: "ヤマセはどこから吹いてくるのか?-冷害の元凶に迫る" 週刊金曜日. 第28号(6月3日号). 4-7 (1994)

  • [文献書誌] 力石國男: "ヤマセと海洋" 気象研究ノート. 第183号(印刷中). 1-14 (1995)

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公開日: 1996-04-07   更新日: 2016-04-21  

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