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1995 年度 実績報告書

ヘモグロビン遺伝子の診断によるユスリカの同定とその水質評価への応用

研究課題

研究課題/領域番号 06680487
研究機関広島大学

研究代表者

河合 幸一郎  広島大学, 生物生産学部, 助教授 (30195028)

キーワードユスリカ / Polypedilum / 富栄養化 / 生物指標 / 累代飼育 / ヘモグロビン / 遺伝子診断
研究概要

1995年5月から10月の間に、琵琶湖・余呉湖及び三方五湖の計15地点において、コンクリート板を設置して約2ヵ月後にこれに付着するユスリカ幼虫を採集する作業を2回繰り返し、採集した幼虫を実験室内で飼育して羽化してくる成虫を同定するとともに、採集地点にて採取した検水の電気伝導度、PO_4-P濃度及びクロロフィル濃度を調べた。その結果、6種のPolypedilum属ユスリカが記録され、Polypedilum cultellatum→P.nubeculosum→P.japonicum→P.nubiferにいたる出現種のスペクトラムを作成することができた。
一方、Hb遺伝子のクローニングについては、Polypedilum属を構成する4群のそれぞれ別の群に属する4種のうち、P.nubiferについてはMonomer第5成分(PNfL-MV)の遺伝子クローニングに成功し、PNfL-MVのグロビン鎖cDNAは755bpからなり、15残基のシグナルペプチドを含む161のアミノ酸をコードしていることがわかった。P.nubeculosumについてはcDNAライブラリーを作成するとともに、PNfL-MVに対応する成分を精製し、N末端22残基を決定した。この2種間の対応する成分のN末端配列の比較では、22positionsのalignmentのうち同一のアミノ酸が見られたのはわずか5positionsのみであり、種特異性が高い遺伝子診断に有効な配列が存在する可能性が示唆された。P.japonicumについても、対応する成分は既に精製されており、現在N末端配列を決定中である。P.cultellatumについては、虫体中のHb量が上述の3種に比べてかなり少ないため、対応する成分の精製には大量の幼虫が必要であり、現在材料を集めているところである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 寺西 秀豊: "Occupational allergy to adult chironomid midges among environmental researchers." International Archives of Allergy and Immunology. 106. 271-277 (1995)

  • [文献書誌] 河合 幸一郎: "Evaluation of chironomid communities attaching to the concrete plates as water quality indicators." Medical Entomology and Zoology. 47. 37-45 (1996)

  • [文献書誌] 河合 幸一郎: "Purification and characterization of an allergenic monomeric hemoglobin (Hb) from a world-wodely distributed chironomid,Polypedilum nubifer." International Archives of Allergy and Immunology. 107(印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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