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1995 年度 実績報告書

桜島火山の降灰が関与して生成するマリンスノ-が鹿児島湾の環境動態に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 06680495
研究機関鹿児島大学

研究代表者

市川 敏弘  鹿児島大学, 理学部, 教授 (30109110)

キーワードマリンスノ- / 火山灰 / 鹿児島湾 / 溶存有機物 / 栄養塩 / 基礎生産
研究概要

平成6年度と7年度に行なった潜水観察により、桜島の火山活動によって放出された火山灰が海水中に入ると大型懸濁物(マリンスノ-)が大量に生成することが明らかになっている。今年度(7年度)野外と実験室での観察の結果、鹿児島湾で採集されたマリンスノ-が火山灰起源と思われる粒子を含むことや、この粒子の沈降速度が他の海域のものと比べて著しく速いことなどの特徴が明らかにされた。今年度はさらに、噴火直後に採集された火山灰を実験室で海水と接触させ、どのような変化が生ずるかを測定した。この室内実験の結果をまとめると以下のようになる。
1.海水に火山灰が入るとpHが下がる。
2.海水に火山灰を加えると海水中の硝酸態窒素濃度が急激に増加する。
3.海水のケイ酸も同様に増加するが、増加の割合は硝酸よりも小さい。
4.硝酸やケイ酸とは逆に、リン酸濃度は急激に減少する。
これらの結果から、火山灰が海水の栄養塩濃度に大きな影響を与えることが明らかになった。海洋植物プランクトンによる一次生産(光合成)は、一般に硝酸やリン酸、およびケイ酸などの栄養塩の供給速度によってコントロールされているので、今回の実験から、鹿児島湾の環境動態に火山活動が大きく関与している可能性が示唆された。平成8年度(最終年度)では、この室内実験を継続して、栄養塩などの無機化合物だけでなく、元素分析の手法を用いて有機物濃度に与える影響についても検討し、これらの結果から火山灰が鹿児島湾の環境動態に及ぼす影響を評価する。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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