あおこ・赤潮の原因となる植物プランクトンのリモートセンシングには、植物プランクトンに含まれる植物色素クロロフィルaに特有な反射スペクトルの波長域が用いられ、異なる波長間の反射率の比からクロロフィルの濃度が推定される。環境の変化は短期間の変動とともに、長期にわたる悪化が問題となる。そこで、継続的な観測が必要であるのはもちろん、過去のデータの利用が環境の長期変化を評価する上で必要不可欠である。 衛星データとして、ランドサットは約20年間のデ-夕が蓄積されているが、ランドサットは、クロロフィルの観測に適した分光特性を有しない。しかし、汚濁や水色を反映した可視像は得られている。 航空機(ヘリコプター)による観測は大気の影響が衛星に比べ無視できることから、衛星データの大気効果補正の基礎データとして用いることができると考えられる。しかしながら、航空機リモートセンシングでは観測中に常時位置の変動を伴うことから、フレーム毎に幾何補正が必要となるが、迅速・高精度に幾何補正された画像を自動的に得る方法は今だ完成を見ていない。 本年度は、航空機観測データの幾何補正の自動化のための前処理として、地上基準点とのマッチングを容易にするためのフィルター、画像の張り合わせ方法について検討した。
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