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1995 年度 実績報告書

環境放射能評価における指標植物としての樹木年輪の有効性

研究課題

研究課題/領域番号 06680504
研究機関京都大学

研究代表者

青木 達  京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (70027051)

研究分担者 片山 幸士  京都大学, 農学研究科, 助教授 (30026512)
キーワードスギ / カキ / 年輪 / 環境放射能 / フォールアウト / 放射化分析 / PIXE
研究概要

今年度は広島原爆の黒い雨の降雨域、および原爆の影響を受けていない京都府に生育したカキについて年輪中の元素の分布と放射能を測定した。
京都府産カキのγ線測定から^<137>Csと^<40>Kを定量した。^<40>Kの樹幹内における分布は、形成層より髄の方向に年輪数で約30年減少した後一定の値となり、後で述べる放射化分析の結果と良く一致した。^<137>Csはバラツキはあるが全領域で一定となり、同族元素であるKと異なる分布を示した。^<137>Csが核分裂で生成する以前に生育したと推定される年輪全域に分布していることから、^<137>Csが樹幹内を移動することがわかった。
原爆の影響を受けたカキについて^<90>Srの測定をしたところ、^<90>Sr/Srは生育年を遡るとともに増大した。この結果から、長崎産のスギでみられたような原爆のフォールアウトを、大気圏内核実験のフォールアウトとから分離して検出することはできなかった。
放射化分析法で京都産カキ樹幹中の17元素について年輪の半径方向の濃度分布を求めた。Naは形成層より約30年濃度が増加した後、徐々に減少した。RbおよびCaについてはバラツキはあるが大きな変動はなかった。したがって、Kを含め、アルカリ金属元素間で相関はみられなかった。元素濃度の変動を生じる位置からカキの辺材年輪数を約30年と推定した。
PIXE分析法を用いて放射化分析法で測定できなかった元素CuやSrを測定することができた。
原爆の影響を受けたスギ試料についても測定を進めており、今後、樹木年輪を環境指標とする方法の確立をめざす。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Toru Aoki: "Distribution and Behaviour of 90Sr and 137Cs in the Tree Rings of Two Japanese Cedar Samples" Proceeding of the International Workshop on Asian and Pasific Dendrochronologv. 216-221 (1995)

  • [文献書誌] 青木達: "PIXE法による樹木年輪中の元素分析" 第13回PIXEシンポジウム予稿集. 22-22 (1995)

  • [文献書誌] 青木達: "樹木年輪中の放射性核種と微量元素の挙動" 第107回日本林学会講演要旨集. (1996)

  • [文献書誌] Olav Slaymaker: "Steepland Geomorphology" John Wiley & Sons, 283 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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