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1994 年度 実績報告書

爆心地域原爆被爆者造血細胞の分子・細胞遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06680508
研究種目

一般研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

鎌田 七男  広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (00034629)

研究分担者 麻生 博也  広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (60243614)
田中 公夫  広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (70116622)
キーワード原爆被爆者 / 染色体異常 / FISH法 / 被爆者白血病
研究概要

本研究は昭和43年から45年に行った原爆被災復元調査により確認された78名の500m以内原爆被爆者を基軸にしての細胞遺伝学的ならびに分子生物学的研究を行っているものである。本年度は新しく開発したFluorescence in situ hybridization(FISH法)による近距離被爆者の線量の推定法ならびに同法による原爆被爆者白血病細胞に見出されるモノソミ-7の検出について研究を行った。
I.FISH法による被曝線量の推定-とくに細胞遺伝学的結果との比較
重遮蔽のため物理的線量推定(ABS93D)はなされていないが、染色体分析の結果、生物学的線量推定が行われている3名(0.4km,0.5km,1.0km被曝)を対象とした。9対の染色体を2色に着色(5対を赤色、4対を緑色)した場合と6対の染色体を2色に着色(3対を赤色、3対を緑色)した場合とも,3名の染色体異常率は、これまでのG分染所見に基づく異常率と大体一致していることがわかった。この結果より多数例について短時間内に概略的被曝線量を推定するのに本方法は有力な武器になることが明らかとなった。また、染色体分析を行わずとも間期核細胞で転座頻度も推定可能であることをin vitro実験結果より明らかにした。
FISH法による原爆被爆者白血病モノソミ-7の頻度推定
分子細胞遺伝学的研究において1Gy以上被曝した人に発生した急性骨髄性白血病細胞には複雑な染色体異常があり、特に-5や-7が多いことをすでに報告したが、最近通常分析法では検出されずFISH法でのみモノソミ-7が検出されることが解ってきた。1Gy以上被曝した4名に本法を適用したところ、2列に"かくれた"モノソミ-7が検出された。このことは被爆者白血病におけるモノソミ-7は白血病発症に何らかの形で強く関わっているものと思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 鎌田七男: "近距離被爆生存者に関する総合医学的研究(21報)染色体異常率から得られたABS93D推定線量" 広島医学. 47. 430-432 (1994)

  • [文献書誌] 田中公夫: "近距離被爆生存者に関する総合医学的研究(22報)染色体着色法による原爆被爆者のリンパ球の染色体転座の迅速な検出" 広島医学. 47. 371-375 (1994)

  • [文献書誌] 松浦正明: "広島大学原医研被爆者データベースにおける線量分布" 広島医学. 47. 426-429 (1994)

  • [文献書誌] 田中公夫: "FISH法の臨床応用" 血液・腫瘍科. 29. 45-53 (1994)

  • [文献書誌] 鎌田七男: "放医研インポジウムシリーズNO.25ヒト・マウス・ゲノム解析研究と放射線生物学" 放射線医学総合研究所, 280 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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