研究概要 |
1.マイクロプレートを用いた藻類培養試験における揮発性試料の影響(隣接ウェルへの影響)を改善する方法を検討した。その結果、専用シーリングテープやテフロンシートを用いた事により、影響を防げると同時に、細胞収率の低下が認められる事が判明した。これらの改善により、IC50(50%阻害濃度)への有意な影響は認められず、以上の改善はこの試験方法を改善する可能性がある事が示唆された。 2.umuテストについて、その小規模化(マイクロプレート化)と高感度の改良について検討した。その結果、従来法から、(1)試薬および菌体量、(2)培養温度、(3)SDS濃度、(4)測定波長、を変更点する事により簡易に96穴マイクロプレート上で実施できる方法を開発した。試験管法で用いられていた酵素活性を求める式(Miller式)をマイクロプレートでの読みに換算する式を誘導した。 3.ヒドラの形態変化を指標にした小規模急性毒性試験の感受性を検討したところ、重金属の96h-EC50ではCr6+<Cu2+≒Zn2+≒Ni2+≒Mn7+<Pb2+<Cd2+<Mn2+の順で、Cr6+に対しては他のバイオアッセイより高い感受性を示した。一部の重金属では、経時的な影響の緩和(亜致死)、促進(亜致死、致死)が認られた. 4.検討してきた小規模バイオアッセイ(海洋性発光細菌試験、藻類成長阻害試験、umu test,ヒドラ)など、およびミジンコ遊泳阻害試験(Daphnia magna)を用いて業種の異なる20種の産業排水(処理後)の有害性評価を実施した。85%(17/20)の試料において何らかの影響が認められた。この試料について、更に、EDTA添加や分析値の結果から原因有害物質について考察した。
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