研究課題/領域番号 |
06680537
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
尾崎 博明 京都大学, 工学部, 助教授 (40135520)
|
研究分担者 |
金谷 健 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (60150158)
清水 芳久 京都大学, 工学部, 講師 (20226260)
|
キーワード | 埋立地浸出水 / 逆浸透法 / 低圧逆浸透膜 / 膜分離活性汚泥法 / 有機ハロゲン化合物生成能 / 難分解性物質除去 / 塩類除去 / 膜分離法 |
研究概要 |
注目を集め始めている低圧逆浸透法のとくに無機塩類の透過特性について検討するとともに、焼却灰模擬浸出水を対象にとして、膜分離活性汚泥法と低圧逆浸透法による処理を行い、これらの膜分離法を適用する場合の処理プロセスについて考究した。得られたおもな結果は以下の通りである。 1.低圧逆浸透膜による1価カチオンの分離では、PH5付近で阻止率が最低となったが、pH>5,pH>5では、阻止率が高くなった。これは膜の荷電性と溶質のイオン性とから定性的な説明が可能であった。ただし、無機成分の混合系では2価カチオン共存によるイオン阻止率の低下が著しく、この傾向は焼却灰模擬浸出液についても同様であり、低圧逆浸透法を利用する実処理においては、このような共存カチオンの効果を考慮する必要があることがわかった。 2.セラミック膜を用いる膜分離活性汚泥法による比較的長期の焼却灰模擬浸出水の処理では、難分解性有機物の残留が認められ、無機塩類については除去できなかった。さらに低圧逆浸透法により処理したところ、難分解性有機物はほとんど除去され、無機塩類も50〜70%が除去された。従来の焼却灰模擬浸出水の処理では、微生物処理法(有機物酸化と窒素除去)と物理化学的処理法(凝集、砂ろ過、活性炭処理)の併用により行われているが、低圧逆浸透法はこの一連の物理化学的処理法を代替するとともに、無機塩類除去もある程度可能であることが明らかになり、膜分離活性汚泥法-低圧逆浸透法を主体とする処理方式を新たに構成しうると考えられた。
|