研究課題/領域番号 |
06680537
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
尾崎 博明 京都大学, 工学部, 助教授 (40135520)
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研究分担者 |
金谷 健 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (60150158)
清水 芳久 京都大学, 工学部, 講師 (20226260)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 埋立地浸出水 / 逆浸透法 / ルーズ逆浸透膜 / 電気透析法 / 難分解性物質除去 / 塩類除去 / 有機ハロゲン化合物生成能 / 膜分離法 |
研究概要 |
種々の汚濁物質を含有する一般廃棄物埋立地浸出水の水質特性を明らかにするとともに、同浸出水処理に膜分離法を適用し、各種膜の溶質分離特性に関する検討を合わせて同法浸出水処理方法としての評価を行った。得られたおもな結果は次の通りである。 1.実浸出水中には難分解性有機物としてのCOD物質や窒素化合物、高濃度の塩類が含まれていた。CODは実処理プラントの処理水中に45%程度残存し、既存処理法では十分に除去されないことが明らかとなった。また、処理の進行にしたがい全有機ハロゲン化合物生成能はある程度低減されたが、全トリハロメタン生成能はあまり低減されなかった。 2.実浸出水の逆浸透法の処理では含まれるほとんどの汚濁物質が除去され、有機ハロゲン化合物生成能も94%以上が削減された。したがって、処理性の観点からは逆浸透法は既存の方法よりも優れていたが、イオン状シリカ等による膜の目づまりが懸念された。 3.実浸出水を低圧逆浸透膜により処理したところ、有機物と塩類は既存処理法以上に除去された。ただし、溶解性の窒素化合物を除去するために、前段で生物学的窒素除去を行うことが望ましいと判断された。 4.低圧逆浸透膜による溶質分離能は、膜の荷電性と溶質のイオン性とから定性的な説明が可能であった。ただし、無機成分の混合系では2価カチオン共存によるイオン阻止率の低下が著しく、このような共存カチオンの効果を考慮する必要がある。 5.低圧逆浸透法は、擬集-砂ろ過-活性炭処理の一連の物理化学的処理法のを代替法となり得るとともに、無機塩類除去もある程度可能であることが明らかになり、「膜分離活性汚泥法-低圧逆浸透法」あるいは「従来の生物処理法-低圧逆浸透法」を主体とする処理方式を新たに構成し得ると考えられた。
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