研究課題
基盤研究(C)
1.無脊椎動物由来の新寄生理活性ペプチドの探索(1)ユムシの神経系からRGWamideを単離した。このペプチドは、ユムシ体壁筋の興奮性伝達物質または修飾物質と考えられるセロトニンの放出を抑制することが示唆された。(2)マイマイ、Helix pomatiaの神経節からD-アミノ酸を含むペプチド、Helix CCAP-RPを単離した。他のD-アミノ酸含有ペプチドと同様にN-端から2残基目がD-アミノ酸であり、L-アミノ酸から成る異性体も同時に単離された。軟体動物筋肉を用いた生物検定でL-異性体は活性を示したが、D-異性体は活性を示さなかった。1.D-アミノ酸含有ペプチドの構造活性相関FulicinにおけるD-アミノ酸残基の役割をレセプターとの相互作用に好都合な特定の立体構造安定化と考えられることを示した。2.D-アミノ酸含有ペプチド前駆体の構造Fulicinの前駆体蛋白質の構造を明らかにした。D-Asn残基は、通常のAsnのコドンでコードされ、N-およびC-端側は、それぞれ-K-R-および-G-K-R-で挟まれていた。Fulicinは、C-端アミド化と未知のD-/L-アミノ酸異性化を受け、成熟ペプチドとして分泌されることが分かった。4.D-アミノ酸残基の役割現在まで3つの役割、活性発現に重要な立体構造の安定化、生物活性の多様化、分解酵素に対する安定化による生物的寿命の延長が示唆されてきた。Helix CCAP-RPの場合、D-異性体は活性を示さず、役割として不活性化も考えられることを示した。5.無脊椎動物由来ペプチドの脊椎動物組織に対する活性Fulicinのアナログペプチドが、オピオイドペプチド様の活性を示し、ラット脳のオピオイドペプチドレセプターに結合することが分かった。
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