1.官能基を有する微小ビーズと複合糖鎖物質との結合:(1)ムチン型糖鎖とアスパラギン結合糖鎖をもつ糖ペプチドをそれぞれ調製した.これらと微小ビーズとの結合をEDC、SH基を導入してからNHS-CHMまたはグルタールアルデヒドのいずれかを用いて行い、効率とビーズの非特異凝集のない反応条件をそれぞれの場合で検討した.その結果、アミノ基を持つビーズをサクシニル化してからカルボジイミド法により糖ペプチドのアミノ基とカップリングさせる方法が一般的に良いことがわかった. 2.ビーズとレクチンとの反応条件の検討:(1)作成したビーズと各種のレクチンとの反応は、溶媒としてPBSにBSAまたは10%程度のグリセリンを加えると良い凝集像が得られた.(2)既知のレクチンのなかに作成した担糖ビーズを凝集しないものが存在した.そこで、これらレクチンを化学的に修飾して(たとえばBSAと結合させる)ポジティブの反応を得る手段を検討している. 3.新規レクチンの検索と結合特性の解析:(1)数種の種子と真菌子実体にムチン型糖鎖とアスパラギン結合糖鎖にそれぞれ結合する活性を見いだした.これら活性物質(レクチン)を単離精製することと、グリコシダーゼ処理したビーズでどのように反応が変化するかを現在追求している.(2)エキソグリコシダーゼ処理前後の糖鎖の変化を、エンドグリコシダーゼまたはヒドラジン分解して得られたオリゴ糖をHPLCで分析することで解析している.
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