(1)磁性細菌Magnetospirillum magnetotacticumの大量培養 磁性細菌に関する生化学的研究を行なうための大量培養方法を確立した。その結果、約10L培養液から2〜3gの菌体を得ることに成功した。 (2)磁性細菌Magnetospirillum magnetotacticumマグネトソーム局在蛋白質の分離精製とその遺伝子クローニング (1)で得られた菌体を超音波破砕した後、無細胞抽出液から磁石を用いてマグネトソームを精製し、細胞質膜や未破壊の菌体の混入が無いことを走査型電子顕微鏡により確認した。また、細胞質膜は超遠心分画法により集め、同様に走査型電子顕微鏡によりマグネトソームの混入が無いことを確認した。このようにして得られたマグネトソームと細胞質膜に局在する蛋白質についてSDS電気泳動による分析を行ったところ、分子量22Kの蛋白質の他、数種類の蛋白質がマグネトソームに局在することが確認された。そこで、22K蛋白質をマグネトソームからSDSにより抽出し、そのN末端アミノ酸配列を決定した。得られたアミノ酸配列からプローブを合成し、22K蛋白質のクローニングを試みた。その結果、10KbpのEcoR1断片を得ることに成功し、現在その塩基配列の決定を試みている。さらに、その局在を免疫組織化学的方法により確認するために22K蛋白質のポリクローナル抗体を調製した。
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