研究課題/領域番号 |
06680610
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50135597)
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研究分担者 |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
吉村 徹 京都大学, 化学研究所, 助手 (70182821)
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キーワード | グルタミン酸ラセマーゼ / 遺伝子クローニング / Bacillus cereus / 活性中心システイン残基 / composite active site |
研究概要 |
D-グルタミン酸は細菌細胞壁ペプチドグリカンの必須構成成分であり、D-アミノ酸トランスアミナーゼあるいはグルタミン酸ラセマーゼにより生合成されると考えられている。しかし、前者はBacillus属細菌に、また後者は乳酸菌にのみ見いだされており、他の細菌のD-グルタミン酸生合成経路は不明である。本研究では、グルタミン酸ラセマーゼの構造と機能の関係を明らかにし、本酵素の発現調節機構を明らかにするとともに、本酵素の特異的阻害剤を開発することを目的としている。P.pentosaseus及びE.coliのグルタミン酸ラセマーゼのアミノ酸一次配列において、保存性の高い領域に対応するDNAプライマーを合成し、PCR法によって対応する領域を増幅させた。その結果、Staphyrococcus aureusやBacillus cereus、Pseudomonas aeruginosaにグルタミン酸ラセマーゼ活性は認められないものの、いずれもグルタミン酸ラセマーゼ遺伝子をもつ可能性が示された。E.coliのD-グルタミン酸要求株、WM335のD-グルタミン酸要求性を相補する遺伝子をBacillus cereusから単離したところ、グルタミン酸ラセマーゼ遺伝子であることが確認された。モノマーであるP.pentosaseusの酵素が2個の必須システイン残基を有するのに対し、E.coli酵素は二量体で各々のサブユニットからシステイン残基を出しあって活性中心を形成する"composite active-site"型をとると考えられる。この点を明らかにするために、部位特異的変異法によりE.coli酵素のシステイン残基をアラニンに置換し、その諸性質を調べた。
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