1.平成6年度 (1)ブタ卵子透明帯糖タンパク質PZP3αからO-グリコシド糖鎖のみ、あるいはN-グリコシド糖鎖のみを除去したもの、および両方を順次除去したものを調整し、精子レセプター活性を調べた結果、N-グリコシド糖鎖が活性を持つことがわかった。 (2) N-グリコシド糖鎖の内、3本鎖または4本鎖の中性糖鎖に活性があることを明らかにした。 (3)蛍光ラベルした糖ペプチドの精子結合能を調べる実験は今回実施出来なかった。 (4)ウシ透明帯糖タンパク質糖鎖の構造解析をした結果、ブタやマウスには存在しない高マンノース型Nグリコシド糖鎖があることがわかった。 (5)ウシ透明帯もN-グリコシド糖鎖にレセプター活性があるが単離した糖鎖は極めて弱くなることがわかった。 (6)ブタ透明帯糖タンパク質の3主成分個々の抗体は、ウシの3成分それぞれと交叉特性を持ち、両種由来のタンパク質は似た構造を持つことを示した。 2.平成7年度 (1)ウシ透明帯糖タンパク質のシアル酸のは受精で除去され、酸性糖鎖が中性化することを見い出した。 (2)受精時にウシ透明帯タンパク質bZPAは特異的に切断されることを確認した。 (3)bZPAにはSH基が存在し、受精時にこれらのSH基はすべて酸化されSS結合が形成されると共に透明帯の硬化が起こることを見い出した。 (4)の架橋実験および(5)のギャップジャンクションの実験は今回実施できなかった。来年度以降に是非分析を実施したい。
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