申請者は新しい熱ショック転写因子HSF3の解析を行った 1。HSF3を活性化するストレスの同定。 トリ赤芽球系細胞HD6を用いて様々なストレスを加えてそのDNA結合能を調べた。その結果、HSF1同様に熱ショック、重金属、過酸化水素などで結合能を獲得することが分かった。このとき、HSF3は細胞質の二量体から核へ移行し三量体となる。つまり、HSF3は。、HSF1と挙動を同じくしており、それらの役割分担に興味がもたれる。 2。HSF3とHSF1と相互作用。 HSF1とHSF3が同じ局在であり、ロイシンジッパーを介して三量体を形成することから、heterotrimer形成の有無について調べた。生化学的には有意にheterotrimer形成はないことが分かった。しかし、in vitroのHSF1活性化の系においてHSF3が共存したときの効果を調べたが、HSF1活性化は正に働いた。逆に、DNA結合ドメインのないHSF3を共存させるとHSF1の活性化は抑さえられる。以上の結果は、HSF1とHSF3が一過性の結合により互いに相互作用を行っていることを示したものである。これらの相互作用が、ストレス応答に必須であるかを知るために、現在ノックアウト細胞を作製中である。
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