研究概要 |
哺乳類培養細胞に恒常的活性型MAPKKとしてセリン218とセリン222をグルタミン酸に置換したMAPKKの突然変異体(SESE-MAPKK)とSESE-MAPKKのN末付近20アミノ酸を欠失させた変異体(dNSESE-MAPKK)を発現させたところ、SESE-MAPKKでは30%、dNSESE-MAPKKでは60%の内在性MAPキナーゼが活性化された。転写因子の活性を調べるために、TRE,SRE,CREのそれぞれのエレメントをCAT(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ)につないだレポータープラスミドとともに培養細胞に形質転換した。SESE-MAPKKはTRE-CAT発現活性を1.2倍、SRE-CATを1.5倍、CRE-CATを0.7倍上昇させた。dNSESE-MAPKKはTRE-CAT発現活性を1.8倍、SRE-CATを1.7倍、CRE-CATを1.0倍上昇させた。dNSESE-MAPKKと共に野生型MAPキナーゼを共発現させると、TRE-CATは2.6倍、SRE-CATは3.1倍、CRE-CATは0.7倍になった。以上より、MAPキナーゼカスケードの活性化が、TRE及びSREの活性化に十分であり、CREの活性化には不十分であることが示唆された。
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