研究課題/領域番号 |
06680746
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
阿部 寛 東海大学, 医学部, 教授 (40151104)
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研究分担者 |
関口 雅樹 東海大学, 医学部, 講師 (50163100)
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キーワード | Mutant mouse / Protein phosphatases / Brain / Morphological abnormalities / In situ hybridization / Nissl stain / Neuron |
研究概要 |
中枢神経径に変異に見られるミュータント・マウスにおいては、ニューロンの変性や層形成の異常、神経突起の異常、シナプスや神経回路網の形成異常などが知られている。詳細にこれらの組織学的異常を追求する。またミュータント・マウスの脳内の蛋白の遺伝子発現の局在や変異に関す知見を蓄積し、それにより細胞内シグナルに関連する物質が神経系のさまざまな機能発現にはたす役割を追求する。 初めにdreherマウスの大脳新皮質、続いてweaverマウスの海馬について組織学的に観察し、異所性ニューロンの集合などのさまざまな異常を報告した。これらの小脳性運動失調を呈するマウスの異常が小脳に限局されるのではなく、中枢神経系に広く存在することが明らかとなり、今後の免疫組織化学的、遺伝子組織化学的研究の基礎となるものと思われた。 さらにstaggererマウスreelerマウスの小脳Purkinje細胞を用いて蛋白質ホスファターゼの2Aβ、2B、および2Cβ型のmRNAの発現についてin situ hybridization法により検討を加えた。Reelerマウスでは3種のmRNAの発現は低下せず、reeler遺伝子はPurkinje細胞の蛋白質リン酸化・脱リン酸化に大きな影響を及ぼしていないことが示唆された。一方staggererマウスではこれら3種のmRNAがほとんど発現していなかった。staggerer遺伝子がPurkinje細胞の蛋白質代謝に直接影響を及ぼしている可能性、またPurkinje細胞に対する入力の減少に基づく可能性の、2つの機構が考えられた。今後、segment polarity geneのwnt-1に異常がある。swayingマウス小脳を用いて、この遺伝子の発現と種々の小脳形成異常について追求する予定である。
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