研究課題/領域番号 |
06680757
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
上村 敬一 信州大学, 医学部・加齢適応研究センター, 助教授 (80012756)
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研究分担者 |
武富 保 信州大学, 医学部・加齢適応研究センター, 教授 (30020704)
原 厚 信州大学, 医学部・加齢適応研究センター, 講師 (70126697)
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キーワード | スフィンゴ脂質 / スフィンゴシン / 神経芽腫細胞 / 神経突起 / 糖脂質 / プロテインナーゼ / カルモジュリン |
研究概要 |
マウス神経芽腫細胞を血清を除いた培地中で培養したときに起こる神経突起の伸展に対するスフィンゴシンの抑制効果が、カルモジュリンに依存する経路による可能性が示唆されたので、さらに各種のプロテインキナーゼ阻害剤、カルモジュリン阻害剤、対照化合物を用いて、細胞の増殖や神経突起の伸展に及ぼす効果を検討した。その結果、神経突起の伸展は明らかにカルモジュリンを介した機構により調節されているが、Ca^<2+>/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIは関与していないことが確認された。細胞増殖に対する阻害作用では用いたカルモジュリン阻害剤間に差がみられ、神経突起伸展に対する阻害濃度の1.5〜3倍であった。糖脂質合成酵素の阻害剤や、スフィンゴシンの添加によって神経芽腫細胞の神経突起の伸展抑制や退縮がおこる機構にもカルモジュリンに依存する経路が関与してことが強く示唆された。セラミドの合成を阻害しジヒドロスフィンゴシンの蓄積をもたらすことが知られているフモニシンB1について神経突起伸展に及ぼす効果を調べたところ抑制効果がみられず、その理由について現在検討している。また、各種スフィンゴシン誘導体の効果を比較検討するために、スフィンゴシルホスホコリンよりスフィンゴシン1ーリン酸を、また水素添加スフィンゴミエリンよりd-erythro-ジヒドロスフィンゴシンを調製して、その効果について現在検討中である。一方,^<15>N-塩基を用いたリン脂質およびスフィンゴ脂質の代謝の解析は、培養神経芽腫細胞とマウス各種臓器における各種脂質の動態を解析する上で有効であることが示され、特に^<15>N-グリシンを培養細胞に添加するとリン脂質、スフィンゴ脂質が標識されることが明らかにされた。
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