研究課題/領域番号 |
06680784
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
堀川 順生 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50114781)
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研究分担者 |
窪田 道典 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (30186457)
細川 浩 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80181501)
谷口 郁雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60014255)
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キーワード | 光学的計測 / 皮質聴覚領 / FM音 / 音声 / モルモット |
研究概要 |
144チャンネル光学的計測法を用いてモルモットの大脳皮質聴覚領の活動を時空間的に計測した。音刺激として4→16kHzの上向きFM音、16→4kHzの下向きFM音、モルモットの2種類の鳴き声(雄が雌を呼ぶ声)を用いた。 FM音に対する聴覚皮質の光学的応答は周波数のスイ-プの方向により明瞭に異なる。上向きFM音では聴覚皮質のA野(1次聴覚皮質)とDC野の境界線に向かって背側方向に移動し、下向きFM音ではA野とDC野のに現れた活動のスポットがA野とDC野境界近くに現れた2つの活動がA野とDC野の境界線から離れる方向にやはり背側方向に移動した。これは、A野とDC野における周波数配列が鏡像対称になっており、境界付近の特徴周波数が高く境界から離れるにしたがって低くなるという構造であること(周波数局在機構)に関係している。A野とDC野にはFM音に選択的に応じるニューロンの集団は観察されなかった。これらの結果は純音を処理する周波数局在機構の中の単純なニューロンがそれぞれの特徴周波数に対応するFM音成分に応じることによって、FM音を全体として処理することを示している。動物の鳴き声に対する応答は純音やFM音に対する応答と大きく異なる。純音に対しては、音の初めに一過性に興奮しその後に長い抑制が続く単純な応答となるのに対して、鳴き声に対しては興奮と抑制が交互に続く複雑な応答となる。その波形は2種の鳴き声に対しても時空間的に異なる。このような応答の空間的および時間的パターンが刺激の波形やスペクトルの時間構造とどのように関係するかを検討した。
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