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1994 年度 実績報告書

吻側の延髄腹外側野内の循環中枢機能の局在

研究課題

研究課題/領域番号 06680802
研究機関筑波大学

研究代表者

照井 直人  筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (40111372)

キーワードBlood pressure / Central grey / Chemical stimulation / Rabbit / Rostral ventrolateral medulla / Sympathetic nerve
研究概要

本プロジェクトの目的は、体循環血液量の各血管床への配分を、体の状況に応じて適切に行なう神経機構の解明である。運動時には筋血流が、安静時には内臓への血流が増加する。このような調節を行っているのは延髄以上の神経構造に存在するいわゆる心臓血管運動中枢である。この中枢の主要部分である延髄の循環中枢を構成するニューロン群を申請者は同定してきた。そこで具体的には、これまで明らかにされている延髄の循環中枢ニューロン、すなわち吻側の延髄腹外側の網様体に存在する交感神経興奮性網様体脊髄路ニューロン群(RVLMニューロン)がこのような血流配分にどのように関わっているかを明らかにすることを目的とする。
本年度は、この血流配分を決定するのに主要な中枢神経系として知られている中脳中心灰白質の刺激実験をウサギで行った。その結果、中心灰白質の腹側部の化学刺激が降圧反応を引き起こすことはラットやネコと同じであるが、ウサギでは背外側部を化学刺激しても昇圧反応は生じないこと、腹側部の刺激効果は、延髄縫線核破壊で逆転し、昇圧反応になることが明らかとなった。これらの反応のうち、降圧反応はRVLMニューロンの活動抑制、腎臓交感神経活動の減少を伴うことから、内臓血管床の血管拡張が1つの原因であることが判明した。縫線核破壊後の昇圧反応には、必ずしもRVLMニューロン群の活動亢進や腎臓交感神経の活動亢進を伴わないことが明らかとなった。したがって、内臓の血管収縮が昇圧反応を引き起こすのではなく、他の血管床の血管収縮によって生じた可能性がある。
3つ以上の異なる血管床の微量の血流変化の同時測定を行うために、温度測定装置を開発したが、この方法では、血流の絶対値が測定できず、また常に相対的な血流しか測定できないので、新たな血流測定装置が必要となり、現在開発中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Xu,T.,Ootsukua,Y.& Terui,N.: "The responses of the sympathetic nerve and blood pressure to chenical stimulation of the midbrain periaquedactal grey" J.J.Physiol.44. S71- (1994)

  • [文献書誌] Ootsukua,Y.,Xu,T.& Terui,N.: "10 Hz activity of the sympathetic nerves in the spinal cat" J.J.Physiol.44. S72- (1994)

  • [文献書誌] Ootsukua,Y.,Xu,T.& Terui,N.: "Activity of the 10 Hz rhythm in sympathetic nerves is mediated in the spinal cord" Central Nervous System and Blood Pressure Control. (in press). (1995)

  • [文献書誌] Ootsukua,Y.,Xu,T.& Terui,N.: "The spinally mediated 10-Hz rhythm in sympathetic nerve activity in cats" J.Auton.Nerv.Syst.(in press). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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