研究課題/領域番号 |
06680819
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
井上 真澄 福岡大学, 医学部, 助教授 (40223276)
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研究分担者 |
今永 一成 福岡大学, 医学部・, 教授 (40078613)
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キーワード | 副腎髄質細胞 / ムスカリン受容体 / 非選択的カチオンチャネル / G蛋白 / 燐酸化 / 脱燐酸化 / Mg^<2+>依存性脱燐酸化酵素 |
研究概要 |
パッチクランプ法により副腎髄質細胞をAIF化合物含有細胞内液で灌流すると、保持電位-55mvで徐々に内向きの非選択的カチオン(NS)電流が一過性に発生する。この電流は、細胞内遊離Mg^<2+>濃度([Mg^<2+>])が1mMの場合、灌流開始後約30秒から発生し始め、約2分で最大に達しその後徐々に減少した。誘発された電流が半分に減少するのにかかる時間(T^<1/2>)は、約100秒であった。[Mg^<2+>]が1mMから、12μMに減少していくと、それに従い大きいNS電流が発生し、またT_<1/2>が大きくなった。[Mg^<2+>]が0μMの場合は、12μMに比べ小さくNS電流が発生したが、T_<1/2>はさらに大きくなり約500秒になった。アルカリ脱燐酸化酵素を、AIF細胞内液に加えると、見かけ上[Mg^<2+>]を増加させたような効果を持ち、逆にバナジン酸の付加は[Mg^<2+>]を低下させたような効果を持った。細胞内をAIF化合物を含まない液で灌流した場合、ムスカリン受容体刺激により持続的なNS電流が発生した。一方、細胞内に、AIF化合物を投与すると、同じ受容体刺激でもNS電流の発生は一過性であった。こらの結果は、G蛋白活性薬のAIF化合物の細胞内投与はNS電流の活性化ばかりでなく脱活性化も促進すること、そして脱感性化にはMg^<2+>依存性脱燐酸化酵素が関与しているという我々の仮説を強く支持する。そこで現在、caged化合物の光分解による瞬時の細胞内[Mg^<2+>]の増加(本年度購入機器)が、AIF化合物または受容体刺激のより誘発されたNS電流にどう影響するかを調べ、我々の仮説をさらに検討している。
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