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1995 年度 実績報告書

ムスカリン受容体により制御されるチャネルの活性化及び脱活性化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06680819
研究機関福岡大学

研究代表者

井上 真澄  福岡大学, 医学部, 助教授 (40223276)

研究分担者 今永 一成  福岡大学, 医学部, 教授 (40078613)
キーワード副腎髄質細胞 / ムスカリン受容体 / 非選択的カチオンチャネル / G蛋白 / 燐酸化 / 脱燐酸化 / Mg^<2+>依存性脱燐酸化酵素 / Ca^<2+>
研究概要

ニスタチン法により副腎髄質細胞の膜電位を-40mVに固定して全細胞電流を記録した。ムスカリン誘発性非選択的カチオン(NS)電流は、Krebs液中では記録20分間減弱することなく繰り返し誘発された。しかし、外液からCa^<2+>を除去すると、36%の細胞において20分後にムスカリン誘発性NS電流は約半分に減少した。このNS電流の減少は、cyclopiazonic acidをCa^<2+>除去液に加えると細胞の73%で観察された。一方、Krebs液中にA-23187を加えると、NS電流は約30%増加した。これらの結果は、細胞内Ca^<2+>が貯蔵部位と細胞質の間を循環する結果、ある程度の細胞内Ca^<2+>濃度が保たれていること、又細胞内Ca^<2+>はNS電流発生に不可欠ではないが、促進的に働くことを示唆する。外液にneomycinを投与すると、ムスカリンで誘発されるCa依存性K電流は時間依存性に減少し、投与15分でほとんど消失した。一方、NS電流はその大きさが33%減少するものの、時間依存性の減少は全くみられなかった。この結果は、NS電流の発生にはphospholipase Cは関与しないことを示唆する。細胞内にG蛋白活性薬のAlF化合物を注入すると、NSチャネルが活性化される。そこで、AlF誘発性NS電流のゆらぎをPower Mac (購入機器)を用いて解析した結果、NSチャネルの単一コンダクタンスは2.5pSであることが分かった。NSチャネルの活性化における燐酸化の関与を細胞内ATPを非加水分解性ATPアナログや他のnucleotideに置換して検討した。細胞内ATPをCN化合物で枯渇した条件下では、NS電流の発生は全くパッチ電極内のATPに依存した。AMP-PNP、ATPγS、GTP、ITP及びUTPは、全くこのATPの作用を持たなかった。これらの結果は、NSチャネル活性化に燐酸化が関与することを示唆する。現在、caged GTPγSの光分解(購入機器)による瞬時の細胞内GTPγSの増加が、受容体刺激により誘発されるNS電流にどう影響するかを調べ、脱活性化機構のG蛋白依存性をさらに検討している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Inoue, M., N. Fujishiro, and I. Imanaga: "Mg^<2+>-dependent phosphotase as an inhibitory mediator mediator of the nonselective cation current induced by aluminum fluoride in guinea-pig chromaffin cells." Brain Research. 687. 199-204 (1995)

  • [文献書誌] Inoue, M., and I. Imanaga: "ADP indirectly supports activation of non-selective cation channels by AlF complex in guinea-pig chromaffin cells." Brain Research. in press. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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