研究概要 |
ラットのbg遺伝子をマッピングするために以下のことをおこなった。 1、マウスのbg遺伝子は第13染色体に位置しているので、ラットについてマウスの第13染色体と相同性のある第17染色体に注目し、同染色体に位置することがわかっているマイクロサテライトマーカーを収集した。 2、米国より、HITH,R-834,R-232,の3つを、国内よりPRL,ACRM,HH1TTS,RPL35P,D17KY01,の5つの計8つのマイクロサテライトマーカーのプライマーを入手できた。 3、これらのプライマーについてPCR法によってDNAを増幅する条件を検討した。その結果R-834,R-232,とPRL,ACRM,HH1TTS,RPL35P,の6つについてそれぞれの増幅条件を設定することができ、それらの増幅産物を電気泳動法で確認した。 4、次に浜松医大・動物施設で維持されている近交系ラット10系統について上記の各マーカーのタイピングをおこなった。各系統の肝臓よりDNAを抽出し3、で設定した濃度に希釈し、各プライマーについてDNAを増幅した。 5、その結果、R-834,R-232,HH1TTS,については調査した系統すべてが同一の泳動パターンでありマッピングには不適であることがわかった。 6、RPL35PはDA-bg系とTM系の間で増幅産物に多型があったが交雑F_1の型はDA-bg系と同様であり、これもマッピングには不適であることがわかった。 7、ACRMについてはDA-bg系とBN系で多型があり、それらのBCF_1を検索した結果からACRMとbgは23.6±4.9cMの連鎖がありbg遺伝子はラットの第17染色体に位置していることがわかった。詳細は来月刊行する報告書で報告する。
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