研究課題/領域番号 |
06680856
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
手島 光司 京都教育大学, 教育学部, 教授 (90026104)
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研究分担者 |
細川 友秀 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (10117905)
大島 敏久 京都教育大学, 教育学部, 教授 (10093345)
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キーワード | 高圧力パルス / 衝撃波 / 細胞 / 細胞機能成分 / 酵母細胞 / ハツカネズミ癌細胞 |
研究概要 |
生体が高い圧力パルスに曝される機会は頻繁ではないが、衝撃波を利用した結石破砕治療において、あるいは自然または人為的な高圧力発生による生体への影響に関心が持たれてきている。本研究は高圧力パルスの生体への影響を微視的に捉えるために、微生物細胞および動物細胞についてその力学的影響と生体機能への影響を調べることを目的にしている。今年度の研究においては、以下のような新たな進展が見られた。 1)新たに高圧力パルス発生装置としての衝撃波管を製作するとともに、試料に付加されると考えられる圧力値を評価するために、試料容器内の衝撃波の伝播特性を数値計算および測定によって調べ、数値計算による衝撃波伝播の予測が有効であることを示した。 2)比較的硬い細胞壁を有する酵母細胞に対して衝撃波を照射し、コロニー生存率と細胞破壊にともなう細胞内酵素の活性を測定した。ピーク圧力の増加とともにコロニー生存率は低下したが、漏出酵素活性の変化は見られなかった。このことは、脂質二分子膜で形成されている比較的強い細胞壁(細胞膜)は破壊されずに、細胞内小器官が破壊されて何らかの障害が起こっていることを示唆している。この点を明らかにするために、更なる追試と他の測定法を用いて検討することを予定している。 4)ハツカネズミの培養癌細胞のうち浮遊状態で増殖するEL-4細胞と、基質に接着して増殖するB16細胞の衝撃波に対する生存率を調べた結果、前者はピーク圧力3〜4MPaから細胞の破壊が増加するが、後者はほとんど変化が見られなかった。このことは、細胞の種類によって圧力パルスに対する耐性が異なることを示しており、今後このことをさらに確かめるために他の細胞についても同様の実験を行うことを予定している。
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