平成7年度は、携帯用送信機の個人識別数の拡大をはかると共に、電話回線を介して遠隔制御により徘徊データの収集を可能とした。個人識別信号には安定な水晶発振子を用いて、送信機部分を改良した。 研究分担:主にハードウェア担当を(山本)、ソフトウェア担当を(若松)とした。 (1)前年度に改良した新保護システムを、実際に施設に設置して実験運用を行った。また、市販の多機能のポケットベルを呼び出し、介護者が実際に徘徊をモニターできる様に実験を繰り返した。さらに、老人が外出の際にどのように救護が行い得るかを詳細に検討した。したがって、夜間においても同上のポケットベルを備え同様のことが可能であることを確認できた。(山本) (2)識別用に改良した電子識別保護システムの受信装置で、何人まで識別可能か繰り返し実験を行った。その結果、従来の受診装置を改良することで30名程度の個人識別は可能であった。この数は、同時に外出する確率が低く十分である。また、一般過程での利用も考慮し、その取扱や設置方法、経済的な側面からも十分に利用できるよう検討した。(山本) (3)個人識別された警報音、メロディーやチャイムが徘徊老人の特定にどの様に役立つか、また、どのように救護されるかを詳細に検討した。さらに、老人の個性や行動形態をも考慮して、介護者に最適な警報報知音を決定した。(若松) (4)施設側の電子保護装置から、電話回線を通じて送られてくる徘徊データが確実に受信側で制御受信できることを確認した。さらに、受信データを後になって老人の行動やシステムの分析に役立てられるようにその処理方法について検討した。 (5)このため監視システムを高速処理可能なコンピュータを設計した。このコンピュータを中心として監視システムを構成し、それを有効に稼働するためのソフトウェアを開発した。(若松)
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