最終年度は、完成した電子識別・保護装置の特別養護老人ホームや在宅での応用を目標にした。また、複数の施設とネットワーク化をはかり徘徊デタ-の遠隔収集を行うと共に、後に徘徊予測、心理的特性などの分析のためのデータベースとして利用できるように配慮した。(従来と異なり、徘徊者個々の徘徊データが収集可能となった。) 研究分担:主にハードウェア担当を(山本)、ソフトウェア担当を(若松)とした。 (1)過去2年度にわたって開発した通信回線を含む新保護装置全体について、実際に特別養護施設等で運用を繰り返し、その信頼性や経済性などに関して検討した。 (山本・若松) (2)地域的な介護が可能かどうか、栃木県圏内の施設の協力を得てネットワークとしての試験運用を行った。(山本) (3)本システムの試験運用施設等の介護者にアンケート調査を行い、システムの使いやすさなど人間工学的な検討と改良を加えた。(若松) 従来の送信機から個人識別できる携帯用送信機と受信装置に改良した.しかし、携帯用送信機に各種のセンサーを付加して、徘徊者の体温、心電、呼吸など個別性を重視したバイタルサインデータの送信を可能とするようなマルチ機能送信機の完成には至らなかった。この送信機の完成を目指し、今後も実験を推し進めたい.このことは、医用の面からも本システムの送信機が利用できるからである。このために、臨床上の安全性を考慮した計測・処理・送信系の設計法を確立することである。(山本・若松)
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