研究概要 |
介助ロボットのモデルとして,デスクトップ型の小型ロボットを使用し,必要周辺機器群を整備した後,マイクロコンピュータMacintoshにより基本動作を行うための命令セットをオブジェクト指向言語であるSmalltalkにより作成した.さらに,ロボットを分散環境で利用することを念頭において,Macintosh用のネットワーク環境であるApple Talkによりコンピュータ間で通信を行うためのプリミティブおよびメソッドを開発した. 開発したシステムにより,ロボットをローカルコンピュータにより制御した場合、リモートコンピュータにより制御した場合について,ネットワークトラヒックにより受ける遅延について検討した.トラヒックが重い場合と軽い場合についてそれぞれ,ロボットを制御し,ネットワーク環境に適した制御方法とコマンド体系について多くの知見を得た.また,より柔軟なロボットの利用を考慮して,ロボット動作環境内に障害物がある場合にロボット軌道をより柔軟に決定する方法について検討を加えた. 最終年度であるため,これまでの成果をまとめ,介助ロボットのように本質的に分散環境において,制御,ソフトウエアメンテナンスされるロボットにおいてはオブジェクト指向言語であるSmalltalkの利用が効果的であることを確認した.今後,インターネットのような広域ネットワークにおける評価を経て,リモートメンテナンスの可能性をさらに追究することが課題として残される.
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