研究概要 |
介助ロボットのモデルとしてデスクトップ型小型ロボットを使用し,対話型制御が可能なシステムを構築し,ネットワーク上での利用が可能であることを実証した.開発ソフトウエアにはオブジェクト指向言語のひとつであるSmalltalkを用い,作成したプログラムが容易に再利用できるよう考慮した。ロボット制御に要する命令群は,動作の複雑化に伴い,増加するため,オブジェクト指向の考えに基づき,極力少ない命令でより多くの状況で利用可能な命令セットを抽出した。このことにより,特定話者単語音声認識装置による命令の入力・実行,プログラムの編集が可能となった. また,命令を与える方法として,キーボードとマウスによる従来型の入力方法以外に,より直感的な入力を可能とするためのグローブ型入力装置を使用し,対話的に命令を与える方法についてシステム試作を行い,実験を行った.従来方法に比べ,より自然なロボットの動作を容易に作り出すことが可能であることを確認した. 介助ロボットの利用はロボットの非専門家であることを考慮し,ネットワークを介して生後プログラムの保守等が可能でなければならない.そこで,LAN環境上でのコンピュータ通信によりSmalltalkプログラムの保守およびリモート制御を行ったとき,ネットワーク負荷による通信速度とロボット制御に与える影響について検討した.ロボットの行う動作に応じて命令の送り方を変化させることで,伝送路の影響を受けにくいネットワーク上でのロボット制御が可能であることを確認した.この手法はさらにインターネット等の広域ネットワーク上でも応用可能と考えられる. 本研究によりオブジェクト指向言語が介助ロボットの制御に友好であること,対話型制御により,より効率的にソフトウエアの開発が可能であること,直感的入力方法の試作,ネットワーク対応のロボット制御の指標を得ることができた.
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