研究課題/領域番号 |
06680861
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
小山 浩幸 芝浦工業大学, システム工学部, 講師 (40052881)
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研究分担者 |
米田 隆志 芝浦工業大学, システム工学部, 助教授 (90011030)
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キーワード | 脳神経外科 / 定位脳手術 / 手術支援 / ロボット / X線CT / X線CT画像 / 生検 / 低侵襲手術 |
研究概要 |
本研究はX線CT画像から得られる病変部位の3次元位置情報と結合したロボットをX線CTガントリ-内に設置することにより、脳内に刺入した器具の位置と病変部位をモニターしながら器具を高精度に到達させ、生検を実行できる脳内手術支援ロボットシステムの開発を行うものであり、平成6年度は以下の項目について実施した。 1.脳神経外科用手術支援ロボットの開発は、(1)生検針、組織採取部、(2)刺入方向設定部、(3)球面軌跡部、(4)頭部固定フレームの4つの部分からなり、機構的には8自由度で構成されるものとして開発を実施した。組織採取部は小型軽量が要求されることから、形状記憶合金コイルばねをアクチュエータに用いた組織採取部を製作した。生検針の刺入はボールねじとステッピングモータの組み合わせとして製作した。刺入方向設定部では頭蓋に開けられた小孔より複数の目標に生検針が到達できるように2自由度を持つ機構とし、駆動にはDCモータを用いて製作した。球面軌跡部は頭部を仮想球体と仮定し、球面を描く軌跡となるロボットをリンク機構と2つのDCモータの駆動で球面軌跡が得られるロボットを製作した。以上により手術支援ロボットは滅菌カバーを除き完成した。 2.頭部固定フレームは患者頭部を4点ピンにより固定するものとし、CT画像から病変部位の3次元位置を得るためのカーボン製マーカーを取り付けたものを製作した。 3.ロボットの制御部は、基本動作の確認を行うための制御部として製作した。 4.ロボットの動作教示シミュレーションは、本ロボットの生検手順を術者に教示することや、手術設計を行うためのものでワイヤーフレームによりモニターに表示できる段階まで完成した。 5.ロボットの動作実験は、各部ごとに動作することを確認するとともに、ファントムによる組織採取ができることを確認した。また目標到達精度は要求条件である1mm以内を十分に満足する結果が得られた。
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