研究課題/領域番号 |
06680863
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
藤井 麻美子 上智大学, 理工学部, 助手 (20173396)
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研究分担者 |
丹羽 宗弘 東京慈恵会医科大学, 物理学教室, 助教授 (60056877)
金井 寛 上智大学, 理工学部, 教授 (20053548)
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キーワード | 光CT / 逆投影法 / 非等方性パラメータ / 散乱係数 / 吸収係数 / CT画像 / 強度変調光 |
研究概要 |
本年度は以前から行っていた光ファイバーによる、生体内の分光散乱特性の測定に改良を加えて継続した。すなわち、従来の波長809nmの半導体レーザー光のほかに983nmのレーザー光を使って100Mhzで強度変調し、その変調光をコリメーターと適宜NDフィルターを介して、サンプルに照射する。サンプルからの透過光を光学ファイバーを介し、アバランシェフォトダイオードによって受光し、その出力をネットワークアナライザにとって透過変調光の位相変化および振幅を測定するシステムとなっている。サンプルとしては種種の濃度のイントラリピッド、イントラリピッドと黒インクの混合液、血液、赤血球と生理食塩水の混合液、および純水中で溶血させた後、ghostを除去したものを用いた。これらのサンプルの層厚を3mmから10mmまで種種変化させ減衰係数を求め、これから吸収係数μ_a、散乱係数μ_s、を求めた。また、サンプルを円柱形のセルにいれ、透過光の角度分布を測定し、非等方性パラメータを求めた。波長の違いにより、散乱係数および吸収係数の妥当な違いが見られた。 また、光CTについてはCCDカメラと画像処理装置を組み合わせ寒天ファントムを用いた実験を行った。今回は、光の屈折、カメラの開口などによる受光角のずれの補正を行うと共に、光源を従来のレーサーダイオードからキセノンランプに変更し干渉フィルターを介すことによって、種種の波長の光で逆投影法のCT画像を得た。光の屈折の補正により、生体と同等の散乱係数を持つファントムでは深さ1.5cm、直径3mm程度までは単純な逆投影法を用いることができることがわかった。生体では、ヘモグロビンの吸収が最も強いが、ヘモグロビンの酸化還元状態によって吸光度の波長特性が変化する。波長800nmでは酸化還元による違いがほとんどないが、700nmでは還元ヘモグロビンのほうが酸化ヘモグロビンより吸収が強く、また900nmではその反対である。サンプルとして、還元または酸化ヘモグロビンが封入されたガラス管をファントムに埋め込んだものを用いたところ吸光の度合いが異なることが確認された。
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