1)日本での国際結婚問題の歴史的経緯、地域的相違、イメージなどを把握する。 商用オンラインデータベースにて新聞雑誌記事データを収集した。地方紙のデータベースが少ないため、残念だが国際結婚普及の全容の把握にまでは至っていない。男性週刊誌の広告欄を国会図書館で調査した結果、交際斡旋業(デ-トクラブ)中心の広告が80年代後半に国際結婚斡旋業に変わっていた。国際結婚はもはや農村だけの問題ではなく、また業者中心で進みつつあるようである。 2)国際結婚に対する各国の政策について把握する。 8月末に訪比し、マニラにて各所を訪問し関係資料を収集した。特に外務省の海外フィリピン人委員会(CFO)では、花嫁として渡日する女性へのカンセリングを見学し、比政府なりの対策に直に触れた。 3)国際結婚斡旋業者の特徴を把握する。 国会図書館にて電話帳の広告を調査した。その結果、男性週刊誌と同様、80年代後半から斡旋業者の広告が増加し、相手国も多様化していた。他方、地域的な相違もあり、山形県と同様に有名になった徳島県では国際結婚をうたう業者は未だに皆無である。この“公的認知度"と在住外国人政策との関連について追究したい。 4)山形県における国際結婚受け入れの経緯、その後の対策(特に行政)を把握する。 県を含めた県内自治体(44市町村)を対象に外国人向け事業を調査し、日本語教室と外国語版母子手帳交付の2事業をカギとして分析した。やはり国際結婚が行政仲介型だった地域が先進的で、業者中心の地域は国際交流に重点があるか、全体的に遅れていることが判明した。ただし先進型の場合“やむなく"の色彩は濃い。
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