研究概要 |
非古典述語論理におけるKripke意味論の,等号理論を媒介にした拡張としてのクリプキ層意味論の意味論的な構造について,新しい知見を得ることが出来た。まず,morphismsなどのcategoricalな概念や,構造上の性質を導入し,従来の意味論との対応を調べた。これによって,層における自然変換と底となるKripke bases間のmorphismの組を,クリプキ層のp-morphismと解釈することが出来る。このp-morphismをもちいるとKripke sheafとKripke frameの“準同型"(じつはp-morphism)の像としてグローバルに記述することが可能となる。これによってクリプキ層の意味論的な構造を解明しようとする試みは,一応の成功をみたと言えよう。 この着想に基づき,特に中間述語論理などに対する応用を研究し,中間命題論理の述語拡大の濃度に関する結果を得た。これは論文“Constructing a continuum of predicate extensions of each intermediate propositional logic,"Studia Logica(Vol.54,1995年掲載予定)にまとめた。この他に,日本数学会の秋季総合分科会(数学基礎論分科会)(1994年9月27日 於:東京工業大学)において「様相命題論理S5におけるcutの適用の制限について(小林卓示,鈴木信行)」および「Constructing a continuum of logics in a “small" interval」(鈴木信行)と題して2つの口頭発表を行い,さらに国際ワークショップWorkshop on Non-Standard Logics and Logical Aspects of Computer Science(1994年12月6日 於:金沢市文化ホール(石川県金沢市))において「Some Properties of the Delta operation on Super-Intuitionistic Predicate Logics(N.-Y.Suzuki)」と題して口頭発表を行った。
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