研究概要 |
1)超低温下におけるGe測定器において、超対称粒子からなる暗黒物質の存在を、その粒子とGeの弾性散乱から観測する計画がすすめられている。この弾性散乱はヒッグス粒子の交換にあってすすむが、一方、Higgs粒子の質量はb→sγ崩壊によって制限を受けている。DESYのBorzumati氏との共同研究においてはこのb→sγからの制限を満たすHiggs粒子のspectrumでは暗黒物質となる粒子とGe散乱確率がきわめて小さくなることを示した。 2)超対称な理論で予想されるスカラートップ粒子は湯川結合を持っているために他のスカラークオークにくらでて質量が軽いことが期待される。そこでこの粒子のppコライダーにおける生成崩壊について調べ、どのような崩壊modeが、スカラートップの生成のシグナルとなりうるかを調べた。スカラートップ粒子が結合状態を作っているときは++^*→2γmodeが,そうでない場合にはbjetを多く含むシグナルがスカラートップ生成を調べるのに良いmodeとなることが明らかになった。 3)将来高エネルギーと偏極を持ったエレクトロンビームを得ることが可能になるといわれているが、このようなbeamによるe^+e^-コライダーでは超対称粒子の生成シグナルに対るバックグラウンドを低くおさえることが可能であり、このため、超対称粒子の質量、相互作用を非常に精密に測定することが可能となる。このような状況下でスカラータウの崩壊からくるタウ粒子の偏極を測定することによって、ケージ、ヒッグス粒子の超対称粒子であるニュートラルリ-ノ性質が調べられることを示した。
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