平成6年度は2回の実験を企画した。 1)霧島火山群における人工地震探査 平成6年11月〜12月に、第5次噴火予知事業にかかる霧島火山群人工地震探査が行われた。研究代表者はこれに企画、準備段階から積極的に参加し、実際の観測にもあたった。本研究費はこの人工地震を観測するための資材、およびデータ解析用の備品を購入することに使用した。 この実験によるデータは目下解析中であり、霧島火山のP波速度構造のあらましまで明らかにされつつある。なお、本研究の対象であるS波信号は記録の上からも比較的良好に認識でき、さらに明瞭な信号を得るための分離の手法について検討中である。 2)阿蘇火山中岳火口周辺における人工地震波形の取得 平成6年12月に、爆破地震動研究グループによって九州の地殻構造の研究を目的とする人工地震実験が行われた。研究代表者はこの機会を利用して、火山体内部を伝播するS波をはじめとする地震波の特性を明らかにする事を目的に、阿蘇中岳火口周辺で高密度地震観測網を展開して観測を行った。本研究費で購入した備品、資材はこの観測にも用いられた。 この実験によるデータは火山体内部の地震波減衰特性を評価するために用いる予定である。 以上の研究成果は平成7年度中に発表する見込みである。
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