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1994 年度 実績報告書

新しい結晶相反応の設計

研究課題

研究課題/領域番号 06740455
研究機関東邦大学

研究代表者

内田 朗  東邦大学, 理学部, 講師 (30176680)

キーワード結晶相反応 / 光環化反応 / X線結晶構造解析
研究概要

新しい結晶相反応を設計するために、ノルボルナジエンの2つの二重結合のうちの一方にフェニル基とカルボキシル基をもつ誘導体、3-フェニルビシクロ(2,2,1)ヘプタ1-2,5-ジェン-2-カルボン酸の合成を行い、水溶液から無色針状晶を得た。この結晶の空間群はP2_1/cで、非対称単位に1分子を含んでいる。格子定数は、a=9.884(1)、b=5.802(2)、c=19.755(1)Å、b=94.671(8)°、V=1129.3Å^3である。構造解析は直接法プログラムSHELXS86を用い、フルマトリックス最小二乗法で精密化した。最終の精密化は、非水素原子には異方性温度因子を用い、水素原子には等方性温度因子を用いた。最終のR値は1543個の反射に対して、R=0.054であった。
結晶中で分子は対称心をはさんで水素結合による二量体を形成している。O…Oの距離は2.602(3)Å、O…HーOの距離は1.59(4)Åである。また、O…HーOの角度は170(4)°である。2つの二重結合の距離はsp^2の炭素位置において、2.427(4)、および2.443(4)Åと非常に近い距離にあり、光環化が起こりやすくなっている。二重結合を含む平面からのカルボキシル基のずれは0.8°で、ほぼ平面上にある。一方、フェニル基のねじれ角は38.9(4)°であり、平面から大きくねじれたコンフォメーションをとっている。
この結晶に可視光を照射したが、単結晶状態を保持したままの光環化反応は観測されなかった。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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