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1994 年度 実績報告書

光検出磁気共鳴の新しい手法の試み-ラマンヘテロダインビ-ト法によるC_<60>単結晶の励起三重項状態の分光-

研究課題

研究課題/領域番号 06740463
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

松下 道雄  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80260032)

キーワードESR / 光磁気二重共鳴 / ヘテロダイン検出
研究概要

標題のラマンヘテロダインビ-ト検出のESRを行うためには、1.極低温の試料に 2.単色光と 3.ラジオ波を印加し、4.前方散乱光に含まれる数百MHzの微弱なビ-ト信号を検出しなければならない。本年度はこれら4つの条件のうち1から3を達成し、4については改善の後、来年度には本測定ができる状況に達した。以下に本年度の進渉状況を具体的に述べる。
1.試料を極低温に冷やすために液体ヘリウムのクライオスタットを設計、制作した。さらに液体ヘリウム容器を数Torrに減圧することにより、1.3Kの超流動ヘリウムを得た。クライオスタットの液体ヘリウム容量は5リッターで、1.3Kを10時間維持できる性能を持つ。
2.単色光はArイオンレーザー励起のTi:Sapphireリングレーザーを用い、波長700〜1000nmで単一モード発振できる。今年度、発振波長を知るための波長計、単一モード発振を確認するためのスペクトラムアナライザーを導入した。以上、1と2の条件が揃ったので予備的測定としてC_<60>単結晶の1.3Kにおける発光スペクトルを測定した。
3.ラジオ波を試料に効率好く照射するために、容量可変のコンデンサーとコイルの直列共振器を制作した。共振周波数は90〜200MHzの範囲で変化させることができ、Q値は150であった。ラジオ波が実際試料に印加されていることは、1.3KでC_<60>単結晶のODMR信号を測定することによって確認した。
4.1GHzの帯域を持つシリコン光検出器の出力の中から、ラジオ波と同じ周波数を持つビ-ト成分をスペクトラムアナライザーで検出する。現在、予備的な測定で、数mWの定常光に含まれる10_<-6>の強度のビ-ト成分を検出できることが分かった。実際の測定にはもう数十倍の感度の向上が必要であり、次年度にラジオ波の小信号増幅器を購入して本測定を行う。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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