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1994 年度 実績報告書

クロム含有ガラスの近赤外時間分解発光

研究課題

研究課題/領域番号 06740516
研究機関成蹊大学

研究代表者

HERREN Markus  成蹊大学, 工学部, 助手 (10255953)

キーワードシリカガラス / 発光 / クロム(VI) / バナジウム(V) / ゾルゲル
研究概要

我々はクロムを含有するガラスを再現性よくゾルゲル法により合成することにまず成功した。まず青緑色の乾燥ゲルを300-600Cの間の温度で加熱することによりクロム(III)イオンの出発物質はより高い酸化数となり黄色に変色する。この酸化反応は窒素雰囲気中でも起こるので、空気中の酸素との反応でなく、母体のガラスそれ自身あるいは試料に含まれる水分(H_3 O^+ など)との反応によると言える。合成された試料は空気中で数カ月放置した後でもきわめて安定であり、室温及び低温において赤色のブロードな発光スペクトルを示した。寿命を紫外線(N_2レーザー)および青緑色光(色素レーザー)励起で測定したところ、試料の不均一性により指数関数の多成分からなり、さらに20Kでは2msであるのが室温では2μsと激減した。これらの実験から全ての吸収帯の帰属が検討され、励起スペクトルに見られる最も低エルネギ-サイドのバンド(560nm近傍)は発光のバンドに対応することも分かった。こうしたクロムイオンを含むガラスの分光特性は3d^1電子配置をとるTi^<3+>やV^<4+>と極めて類似しており、発光中心が正八面体配位のCr^<5+>によることを結論ずける。一方、コロイド状のシリカ(SiO_2)に担持されたクロム(VI)について報告されている、低温の発光スペクトルに表れる950cm^<-1>の振電構造ときわめて長い発光寿命は、我々の実験結果と極めて類似しており、我々の見いだしたシリカガラス中のクロムは6価までさらに酸化されている可能性がある。ここで、Cr^<6+>の電子配置は3d^0であるので、この場合^3LMCT状態の励起状態が考えられる。そこで、これと等電子配置のバナジウム(V)を含むシリカガラスを合成し、オレンジ色のブロードな発光バンドを室温及び低温で見いだした。我々はこうした一連の実験をさらにGeO_2においても確かめるべく準備中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Markus Herren,Hiroki Nishiuchi,and Makoto Morita: "Cr^<5+> luminescence from chromium-doped SiO_2 glass" Journal of Chemical Physics. 101. 4461-4462 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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