近年、レーザ光の応用範囲は拡大化しており、その重要性は高まる一方である。このような状況の中で、中心的役割を担うレーザ光源においては、波長範囲の拡大、高効率化、高出力化、小型・軽量化などが強く望まれている。これに対して疑似位相整合を用いた非線形光学相互作用は、高効率な波長変換に非常に有益である。そこで、本研究ではドメイン反転非線形光学結晶の作製法と評価法に着目し、高い光損傷を特徴とする非線形光学結晶LiTaO_3を用いて研究を行った。研究内容は以下に示す通りである。 1.多機能小型真空チャンバ、高圧出力電圧30kVの電源、パーソナルコンピュータなどから電界印加システムを構築した。 2.偏光顕微鏡を用いてドメイン反転構造の観察を行い、熱処理前に比べて熱処理後、観察像のコントラストが低下することから、ドメイン反転光学結晶に対する熱処理の有効性について知見を得た。 3.超音波顕微鏡を用いてドメイン反転構造の観察を行い、超音波顕微鏡がドメイン反転結晶の音響物性の測定に有効との知見を得た。 4.厚さ500μmのLiTaO_3に周期7.5μmのドメイン反転格子を作製し、効率やスペクトル特性などの基本的光学特性を明らかにした。
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