• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

機能性高分子薄膜のき裂先端クレーズ破壊メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 06750084
研究機関東京工業大学

研究代表者

納富 充雄  東京工業大学, 工学部, 助手 (70218288)

キーワード破壊挙動 / 高分子材料 / クレーズ / 実時間観察
研究概要

本研究では,プラスチックフィルムの破壊過程をき裂先端クレーズ破壊の微視的観点に立脚して観察,測定している.このため,まず試験片のマイクロスコープ観察を可能にした小型引張試験機を製作した.ついでポリプロピレンおよびポリカーボネイト供試材について,母材およびデューパネル光コントロールウェザ-メータにて紫外線照射したものについて,き裂進展試験を行い,以下の結論を得た.(1)PC材およびPP材とも紫外線照射量があるしきい値を超えると材料は急激に損傷を受けて劣化する.すなわち,PC材では,照射量5750kJ/m2付近までは紫外線照射量が増加するのにつれて,破断伸びは徐々に減少したが,最大荷重はほとんど変動しなかった.しかし,約5750kJ/m2を超えると破断伸びおよび最大荷重は共に急激に減少した.一方PP材では,2000kJ/m2辺りまでは最大荷重および破断伸びは殆ど変化を生じなかったが,それ以上の照射量では破断伸びおよび最大荷重は急激に減少した.(2)き裂進展試験において,き裂が進展し始める前に,き裂先端領域において,PC材では塑性域の拡がりを生じたが,PP材ではこのような現象を生じなかった.
(3)PP材およびPC材ともに,き裂進展中のCTOAはほぼ一定であったが,進展速度は徐々に増加した.(4)紫外線照射したPC材の引張試験の結果,3種類の破壊過程:き裂先端の塑性域はリガメント全域まで拡がり,き裂はこの塑性域中を進展しながら破断に至る;初め塑性域中を進展していたき裂は,ある時期から急速に進展しはじめ,塑性域を超えて脆性的な破壊を生ずる.この過程でマイクロクラックがボイドなどを生ずる;き裂先端における塑性域の発生がほとんど見られない脆性的不安定破壊が起こる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小泉堯,納富充雄,岸本喜久雄: "プラスチックフィルムの破壊過程のその場観察" 日本包装学会誌. 3. 16-27 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi