研究概要 |
ロボットを用いた塗装作業は一見自動化が進んでいるように考えられているが,実際にはその動作データの生成は人手をかけたティーチングによって行なわれ、多くの手間と時間がかかっている.生産ラインの他の部分が他品種少量生産に対応してゆきつつある昨今,塗装作業の自動化のためにはロボットの動作データの自動生成は避けられない.本研究ではこのロボットの動作データの生成をCADデータを利用することによりオフラインで行ない,さらに塗装に固有の手法を取り入れた動作を自動的に生成して,塗装作業の自動化を試みた.CADデータに基づきロボットの動作データを自動生成することにより,ティーチングのために必要だった時間,ティーチング専用の設備などが不要となった.例えば自動車のバンパーを例として挙げると,通常のティーチングによりロボットの動作データを生成すると,450分かかるような場合において240分と約半分の時間で作業を行うことができた.また,自由曲面などの複雑に曲率の変化するような形状の被塗装物についても自動的にロボットの動作データを生成することが可能となった.塗装作業のノウハウの定量化と自動化についても,これまでは少しでも被塗装物の形状が異なると,初めからティーチングをやりなおす必要があったが,本研究の成果により,パラメータの変更のみで対応が可能となった.そのためティーチングに関しての特別な知識無しでもロボットの動作データを生成することができるようになった.以上のことについて,実際に塗装実験を行うことにより,その有効性を確認することができた.
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