研究概要 |
本研究は,メタン・空気の予混合平面火炎により形成される輝炎のふく射スペクトルに及ぼす固体微粒子群及びふく射性気体分子の影響を分光学的に明かにすることである.本年度は,メタン・空気予混合平面火炎で形成される輝炎中に存在している固体微粒子群のサンプリングを行い,その粒子の電子顕微鏡観察を行った.サンプリングの方法としては,石英ガラス製の四重管のチューブを用い,外側から,希釈用乾燥窒素ガス(入),冷却用空気(戻),冷却用空気(入)そして燃焼ガス+希釈用乾燥窒素ガスが通るようになっている.この固体微粒子を含むサンプルガスは真空ポンプにより吸引されることにより,その途中に設置された捕集管に導かれる.捕集管には銅製のメッシュ(1000メッシュ)を置き,そのメッシュ上に付着した固体微粒子を反射型電子顕微鏡で観察した.さらに熱伝導検出型ガスクロマトグラフを用いて輝炎中のガスの分析を行った. その結果,1.十分に発達した輝炎中における固体微粒子の粒径は約数μm程度であり,その位置における炭化水素系気体が数多く検出された.2.当量比が1以上の不輝炎の場合には炭化水素系気体が検出されるが固体微粒子は存在しなかった.3.これまでの研究経過に基づき波長領域2.0〜3.0μmに焦点を絞った場合,ここでスペクトル特性を持つふく射性気体は水蒸気,炭酸ガス,炭化水素系ガスなどであり,これらの気体のスペクトルを単純に重ね合わせると全領域でスペクトル特性が表れることが明かとなった.
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