研究概要 |
1. 超電導磁気軸受の試作 超電導磁気軸受はロータおよび超電導体による磁気軸受から構成した。超電導体はド-ナツ状に加工し,直径25mmの穴を空けることに成功した。また,超電導体を冷却するための液体窒素容器を設け,常に超電導体が超電導状態を維持できるよう,液体窒素が循環する構造とした。 2. 受動形の超電導磁気軸受としての回転特性 コンプレッサーの圧縮空気による回転駆動力を与え,回転時の振動特性を測定・評価した。評価にはメモリレコーダおよびFFT解析装置を用いた。この結果から,危険速度は5000rpm付近に現れ,本実験装置における危険速度通過は可能であった。また,軸方向の振動特性から超電導磁気軸受は能動形磁気軸受に比べて減衰特性がやや劣ることが明らかになった。 3. 運動モデルの構成 超電導軸受の回転運動時のFFT解析結果から,運動モデルを構成した。剛体運動モードを想定し,その並進運動および傾斜運動について振動のシミュレーションを行った。 4. 能動形磁気軸受との併用形超電導磁気軸受の試作・検討 完全受動形の超電導磁気軸受の特性を考慮して電磁石の吸引力やコイルの大きさを設計した。次に,電磁石を励磁するための直流リニアアンプの設計・試作を行った。その結果,単電源24V,2A/5Vの特性を有するアンプを構成した。また,駆動制御の為のアナログ制御回路を設計・試作した。現在,能動形磁気軸受によるロータの磁気浮上が可能となったばかりである。今後,駆動アンプ,制御回路等の改良を進めると同時に,併用形超電導磁気軸受としての評価・検討を行う予定である。
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