研究概要 |
本研究の遂行のなかで得られた結果の概要を以下に述べる。 1.浮揚金属の回転を制御し,均一加熱を実現するために三次元境界要素法を用いた渦電流磁界解析手法とステップバイステップ法を用いた浮揚金属の運動シミュレーション手法を開発し詳細な定式化を報告した。(浮揚電磁溶解法,日本AEM学会誌,Vol.2,No.3,1994) 2.上記の手法を用いて,実際の浮揚溶解装置の解析を行い,励磁コイルの非対称性に起因する磁場の不均一性から,浮揚金属がある水平軸を中心として回転運動を行う事を理論的に明確にした。(Simulation and Experimentation of Levitation-melting Method,ESAEM,Vol.6,1995)(Three-Dimensional Moving Simulation of Levitation-melting Method,IEEE Trans on Magn.,Vol.31,1995 in Press) 3.コールドクルシブルを用いた浮揚溶解装置において,コールドクルシブル内部の渦電流分布並びにセグメント数と浮力の関係を三次元境界要素法により明らかにした。(Three-dimensional Analysis of Eddy Current and Temperture Distributions in Straght-type Cold Crucible,ESAEM,Vol.6,1995) 以上の成果により,浮揚金属を回転させることは,磁場の僅かな乱れを用いればよく,当初の予定であったヘリカル磁場を用いるよりも,コールドクルシブルのスリット間隔の不均一性あるいは励磁コイル端部を利用する方が容易であるという結論に達し,回転制御に関しては金属の浮揚位置を制御する方向で今後継続的に研究を行う予定である。
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