本研究の目的は、励磁機機能を同期機本体に内蔵させるために、電機子と回転子を突極にすることで、第3調波電力を発生させ、これを励磁電力として使うことにより、効率よく励磁できる同期発電機を造ることができる。また、この方式では、ブラシレス機となり、信頼性及び省スペース化に貢献できる。 上記の目的に従い、次の研究を実施した。 1.通常の同期発電機では、第3調波電力は、基本波に対して10%程度であるため、これを励磁電力として用いるには50%程度に引き上げる必要がある。そのための最適構造を見出すために、有限要素法を用いて、電機子及び回転子の形状をシミュレーションして、第3調波電力を計算した。計算は、次の3通りを実施した。 (1)固定子に回転子の磁極の極数の数だけギャップをつける場合 (2)回転子の磁極の表面にギャップをつけた場合 (3)固定子と回転子に磁極の極数だけギャップをつけた場合 2.計算では、3通りの構造を計算したが、製作上の観点から回転子の磁極の中心部を削った構造にした実験機を製作した。 3.上記2の実験機を用いて実験を行った。実験結果から第3調波電力は、確実に得られ、ほぼ満足できる結果となった。但し、励磁電力にはまだ若干不足である。 4.今後の研究課題は、第3調波電力が励磁電力として、十分に得られる構造にする必要がある。
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