研究概要 |
現在,スーパーコンピュータ等による計算結果を画像データに変換し,容易に解析できる計算結果の可視化(サイエンティフィック・ビジュアリゼーション)が行われるようになってきている.ビジュアリゼーションを効率良く行うためには,計算を行いながら即座に計算結果を可視化するリアルタイム・ビジュアリゼーションが望まれる.また,多数の数値データとそれに対応した画像データが多数作成されるため,これらのデータおよびデータ間の関連をを管理することが重要である.本年度は,ワークステーションとスーパーコンピュータがLANによって接続された環境下で,利用者が得た数値データをあらかじめ画像データに変換しておき,テキストデータによるキーワード付けや要約した画像データを用いることで,利用者が容易に目的とする画像データのビジュアリゼーションが行えるようなモデル化を行った.また,このモデルに基づいたデータベースシステムおよびユーザインタフェースシステムのプロトタイプを作成した.しかし,現状ではリアルタイムでのビジュアリゼーションは行っておらず,数値データからあらかじめ画像データをすべて作成し,その後利用者に提供している.これは,現在の計算機環境ではリアルタイム・ビジュアリゼーションに必要な計算機資源が必ずしも確保できるとは限らないためである.今後は,CPUやネットワークといった計算機資源の確保,また不足時の効率の良い対処方法に関する考察を行うことが必要であると考えられる.
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