研究概要 |
以下の結果が得られた. 1.コンカレント性を表現するために,制御プレース付きペトリネットによりシステムを記述した.制御法としては,生起事象の割当とリソースの割当の2種類を考えた.制御仕様は可到達集合上の述語で表した.マ-キングとネット構造を用いて,最大許容フィードバックの存在条件を明らかにした.リソース割当制御における最大許容フィードバック存在条件から生起事象割当制御における存在条件が導かれることを示した.さらに,部分観測の下での最大許容フィードバック存在条件も明らかにした. 2.相補プレースが存在するペトリネットにおいて,禁止マ-キング問題の解となる極大許容フィードバックを計算する多項式オーダのアルゴリズムを提案した.このアルゴリズムを簡単なネットワークの排他制御問題に適用した. 3.初期状態が目標状態にないときに,ライブロックを起こさずに有限回で目標状態に遷移するような制御系の構成法を提案した.ブロッキングが発生しないような設計法とブロッキングを許容する設計法の2種類を提案した.ブロッキングに関しての指標を2種類提案し,それらを改善するための手法を提案した. 4.制御仕様が述語で与えられている場合の分散制御を考察した.n-可観測という概念を導入することにより,部分観測のもとでの分散制御が可能となる必要十分条件を示した.部分観測のもとでのネットワーク資源配分問題に対して得られた結果を適用した.
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