| 研究概要 |
近年,既存橋梁の荷重超過や耐荷力の低下,過剰振動などが問題になっているが,これらの解決手段として,応力制御機構(PS構造),形態抵抗系(アーチ構造),それらを組合せたハイブリッド構造の考え方が有効になるものと考えられる。本研究ではプレストレスを導入した鋼およびコンクリートアーチからなるタイドアーチの耐荷力特性に関する研究を行った。
1.アーチ部材が鋼,緊張材が鋼あるいはCFRPなどからなる種々のPS補剛アーチ系複合構造物の弾塑性有限変形解析プログラムを開発するとともに,耐荷力解析を行った。また,アーチリブにプレストレスを導入した場合の耐荷力特性を定量的に明らかにした。
2.コンクリートには鋼のような変形性能はなく,また,コンクリート自体が圧縮には強く引張りには弱いという材料異方性を有しているため,コンクリートアーチの座屈特性は鋼アーチとは異なった座屈特性を示すものと考えられる。アーチにポリマー含浸コンクリート,タイ材に断面積の異なる緊張材(PC鋼棒,PC鋼より線,CFRPより線)を用いて,集中荷重,満載荷,半載荷の3載荷方法でひびわれ発生前までの載荷試験を行った。また,緊張材を緊張してアーチリブにプレストレスを導入した場合の力学的特性を調べるため同様の実験を行った。さらに,緊張材を変化させたときのひびわれ発生から破壊に至るまでの耐荷力特性を調べるために,前記の3緊張材を用いて実験を行った。緊張材の種類によりひびわれ発生後の力学モデルが若干異なることなどがわかった。
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