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1994 年度 実績報告書

生物膜内におけるpH勾配形成を利用した新しい高効率メタン発酵法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06750583
研究機関信州大学

研究代表者

松本 明人  信州大学, 工学部, 助手 (30252068)

キーワードUASB / 遊離脂肪酸濃度 / pH / 残存COD濃度 / pH勾配 / グラニュール汚泥
研究概要

実験はグラニュール汚泥をUASBリアクター(有効容積2.5l)に充填し、基質にグルコースを用い、温度35℃、HRT1.25日の下でおこなった。その結果、pH7、残存COD濃度2000mg/lでメタン発酵は阻害された。そこで緩衝剤の量を増やし、pHを高めたところ、pH7.1を超えるあたりから、COD除去率の改善や流出COD濃度の低下が観察された。この現象を遊離脂肪酸濃度を用いて解析したところ、遊離脂肪酸濃度が10mg/lを超えるとメタン生成が阻害されることがわかった。この結果は完全混合型反応槽で得られた結果と一致している。そこで、pH6.2での嫌気性流動床の運転で以前に得られた結果を遊離脂肪酸濃度で整理したところ、pH6.2においても遊離脂肪酸濃度が数mg/l程度であればメタン生成は阻害されないことが説明できた。今回の実験結果もあわせて考えると、嫌気性流動床においてpH6.2でもメタン生成が阻害されなかった理由としては、生物膜内部にpH勾配が形成されることを考えるより遊離脂肪酸濃度で考えたほうが合理的であると思われる。
すなわち本研究での提案プロセスは、生物膜内部にpH勾配が形成されることを利用した高効率メタン発酵運転法というより、反応槽内pHと残存揮発性脂肪酸濃度より決まる遊離脂肪酸濃度を10mg/l以下に保ち、メタン生成を阻害させないようにしながら槽内pHを酸生成に最適な6.5以下に合わせ酸生成を促進させ、メタン発酵全体の効率化を図る運転法と考えられる。
このほか、生成ガスのメタン含有量が高い(およそ50%以上)ほど、グラニュール汚泥床でのガスの蓄積が起こりにくいことがわかった。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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